2026年9月、大和ハウス工業が新築戸建住宅の展開地域を見直し、23道県で新規販売から撤退すると報じられました。

「大和ハウスは注文住宅をやめるのか」「すでに建てた家の保証はどうなるのか」「大手ハウスメーカーでも安心できないのか」と不安になった方も多いでしょう。

結論からいうと、今回の発表は大和ハウスが注文住宅事業や住宅事業全体から撤退するという話ではありません。需要が見込める都市圏へ新築戸建ての経営資源を集中し、リフォームや売買仲介などの住宅ストック事業を全国で強化する再編です。

ただし、このニュースは「大手なら全国どこでも同じように建てられ、将来も同じ拠点が対応する」という前提が崩れ始めたことを示しています。この記事では、公式発表と公的統計をもとに、再編の内容、注文住宅市場で起きている変化、これからの住宅会社選びで確認すべきポイントを解説します。

この記事の結論

  • 大和ハウスは注文住宅事業から全面撤退するのではなく、2027年4月から新築戸建ての展開地域を絞り、都市圏を中心とする23エリアへ経営資源を集中する
  • 既存オーナーへのアフターサービスは、新会社が全国で継続すると公式発表されている
  • 背景には新築需要の減少、地域差の拡大、資材費・人件費の上昇があり、単なる一社だけの問題ではない
  • 大和ハウスのグループ経営が危険だから撤退する、と結論づけるのは誤りである
  • これからは会社の知名度だけでなく、自分の建築地域での継続方針、施工体制、総額、保証窓口、経営状態まで比較する必要がある

1.大和ハウスの23道県撤退ニュースは何が決まったのか

大和ハウス工業は2026年9月4日、国内住宅事業の体制を2027年4月1日付で再編すると発表しました。

公式発表では、新築戸建住宅について、需要が堅調な都市圏を中心とする14支社・支店へ営業・設計・施工体制を重点配置し、23エリアで事業を展開するとしています。一方、複数の報道機関は、従来の50事業所を14事業所へ集約し、23道県で新築戸建住宅の販売事業から撤退すると報じました。

項目公表・報道された内容
再編時期2027年4月1日
新築戸建ての体制都市圏を中心とする14支社・支店へ営業・設計・施工機能を重点配置
展開範囲23エリアで新築戸建住宅事業を展開
撤退規模23道県で新築戸建ての新規販売から撤退すると報道
注文住宅撤退地域では2026年9月末まで営業を継続すると報道
分譲住宅撤退地域では2027年3月末まで営業を継続すると報道
既存住宅への対応アフターサービスは新会社が全国で継続
住宅ストック事業点検、リフォーム、買取販売、仲介などを再編・強化

ここで重要なのは、「新築戸建ての新規販売」と「すでに建てた住宅の保証・点検」を分けて考えることです。

1-1.注文住宅から完全撤退するわけではない

大和ハウスは、新築戸建住宅を全国一律に販売する体制から、需要と採算性を見込めるエリアへ集中する体制へ変わります。都市圏を中心に注文住宅の販売自体は継続されるため、「大和ハウスが注文住宅をやめる」という理解は正確ではありません。

また、設計自由度の高い注文住宅を5,000万円以上へ絞り込む方針も報じられています。これは幅広い価格帯で棟数を追う戦略から、高価格帯・高付加価値を重視する戦略への転換と考えられます。

ただし、5,000万円に土地代や外構費などが含まれるかは個別条件で異なるため、検討時は見積書の対象範囲を確認する必要があります。

1-2.既存オーナーのアフターサービスは全国で継続予定

公式発表では、既存オーナーへのアフターサービスを「大和ハウスパートナーズ株式会社」が引き続き全国で提供するとしています。

さらに、全国47都道府県の拠点で、点検、メンテナンス、リフォーム、買取販売、不動産仲介までをワンストップで対応する方針です。

したがって、撤退地域で過去に建てた住宅の保証が直ちになくなるという発表ではありません。ただし、担当部署、連絡先、定期点検の運用、緊急修理の対応時間などが変わる可能性はあります。

既存オーナーは今後届く案内を保管し、保証書と相談窓口を確認しておきましょう。

1-3.「撤退イコール経営危機」ではない

大和ハウス工業の2026年3月期連結決算は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益がいずれも過去最高でした。

戸建住宅事業の売上高は13,422億円ですが、成長を大きくけん引したのは米国事業です。国内の戸建住宅売上戸数は、注文住宅2,902戸と分譲住宅1,965戸の合計4,867戸でした。

国内では規格住宅・セミオーダー住宅の販売により戸数が増えた一方、利益は減少したと説明されています。

つまり今回の再編は、会社全体が立ち行かなくなったための撤退というより、収益性が低い地域や価格帯を見直す経営戦略と読むのが妥当です。

2.なぜ大和ハウスは地方の新築戸建てから撤退するのか

大和ハウスは、再編の背景として人口減少、建築資材価格の高騰、新設住宅着工戸数の長期的な減少、地域ごとの需要差の拡大を挙げています。

2-1.注文住宅の母数となる「持家」が減っている

国土交通省によると、2025年度の新設住宅着工戸数は711,171戸で、前年度比12.9%減少しました。そのうち注文住宅の市場動向に近い「持家」は195,111戸で、前年度比12.6%減です。

年度新設住宅着工戸数持家
2018年度95万2,936戸28万7,710戸
2019年度88万3,687戸28万3,338戸
2023年度80万226戸21万9,633戸
2024年度81万6,388戸22万3,167戸
2025年度71万1,171戸19万5,111戸

2018年度から2025年度までの7年間で、持家着工は92,600戸、率にして32%減少しました。大手ハウスメーカー、地域ビルダー、工務店が取り合う新築注文住宅の市場そのものが小さくなっています。

なお、2025年度の大幅減には、2025年4月のエネ基準適合義務化や建築確認制度の見直しを前に、2025年3月へ着工が前倒しされた反動も含まれます。

したがって、前年度比12.9%減だけを見て毎年同じ速度で市場が縮むとはいえません。それでも、持家が中長期で減少している方向性は明確です。

2-2.建築費の上昇で購入できる世帯が限られている

住宅生産団体連合会の2024年度調査では、主要都市圏における戸建注文住宅の平均建築費は4,760万円、土地代を含む平均住宅取得費は7,006万円でした。

調査対象には大手住宅会社の顧客が多く、全国すべての注文住宅の平均価格ではありませんが、建築費と借入額の上昇傾向を示しています。

資材、住宅設備、物流、人件費が上昇する一方、購入者の所得が同じ割合で増えなければ、建築面積を小さくする、設備のグレードを下げる、郊外へ移る、建売住宅や中古住宅へ切り替える世帯が増えます。

大手ハウスメーカーは展示場、研究開発、設計、営業、工場、アフターサービスなどの固定費を抱えます。販売棟数の少ない地域で拠点を維持すると、1棟あたりの負担が大きくなるため、需要が集中する都市圏や高価格帯へ経営資源を寄せる判断につながります。

2-3.同じ都道府県内でも需要が二極化している

住宅需要は「都市部対地方」だけで分かれるわけではありません。同じ都道府県でも、再開発や人口流入が続く駅周辺、子育て世帯が増える郊外、人口減少が進む地域では、新築需要も土地価格も異なります。

全国一律の商品と営業網を維持するより、受注が見込めるエリアへ人員を集約し、地域ごとに商品を設計するほうが効率的です。

今回の再編は、大手ハウスメーカーであっても「全国一律の新築供給」より「地域と顧客層の選別」を優先する段階に入ったことを示しています。

2-4.新築を売った後の住宅ストック市場が重要になっている

人口が減り、住宅がすでに量的に充足している日本では、新築を建て続けるだけでなく、既存住宅を長く使う事業の重要性が高まります。

大和ハウスも今回の再編で、次の機能を統合・強化します。

  • 定期点検とメンテナンス
  • リフォームとリノベーション
  • 中古住宅の買取再販
  • 不動産売買仲介
  • 賃貸管理
  • 住み替え支援

新築の販売地域は絞りながら、過去に供給した住宅との接点は全国で維持する戦略です。これは、住宅会社の競争が「建てるまで」から「引き渡し後の数十年間」へ移っていることも意味します。

3.今回の撤退が注文住宅市場に与える4つの影響

3-1.大手ハウスメーカーの高価格帯化がさらに進む

大手各社は、棟数減少を高単価化で補う傾向を強めています。高断熱化、耐震性能、大空間、意匠性、長期保証、全館空調などを組み合わせ、価格ではなく付加価値で選ばれる商品へ寄せています。

その結果、大手ハウスメーカーは誰でも比較できる選択肢ではなく、土地代を除く建物関連費だけで4,0005,000万円以上を確保できる世帯が中心になる可能性があります。

ただし、高価格だから自動的に高性能・高品質になるわけではありません。標準仕様、構造計算方法、断熱性能、気密測定、設備、保証条件を見積書と仕様書で確認することが必要です。

3-2.規格住宅・セミオーダー住宅が増える

完全自由設計は、打ち合わせ、設計、見積り、部材調達、施工管理に手間がかかります。市場が縮小し、人手不足が進むなかでは、間取りや仕様を標準化した規格住宅・セミオーダー住宅の比率が高まりやすくなります。

規格型には、価格と工期が読みやすく、設計品質を安定させやすいメリットがあります。一方、変形地、狭小地、独自の間取り、細かな素材選びには対応しにくい場合があります。

「注文住宅」という名称だけで自由度を判断せず、変更できる範囲と追加費用を確認しましょう。

3-3.撤退地域では地域ビルダー・工務店の存在感が高まる

大手が新築営業から撤退する地域でも、住宅需要がゼロになるわけではありません。地域の施工業者、土地事情、積雪・台風・塩害などの気候条件に詳しい会社には追い風となります。

一方で、小規模事業者は会社ごとの設計力、施工管理、保証、財務体力の差が大きい点に注意が必要です。

「地元で長く営業しているから安心」と決めつけず、完成保証の有無、年間施工棟数、現場監督一人あたりの担当棟数、決算状況、保証の実施主体まで確認してください。

3-4.アフターサービスの距離と実行力が選定基準になる

長期保証の年数が長くても、地域の担当拠点が遠い、修理業者を確保できない、保証延長に高額な有償工事が必要というケースでは、実際の使いやすさが下がります。

今後は保証期間だけではなく、誰が、どこから、何日程度で対応するのかまで比較することが重要です。

4.現在ダイワハウスを検討中・契約中の人が確認すべきこと

今回の発表だけで商談や契約が一律に無効になるわけではありません。建築予定地と進行状況によって対応が異なるため、担当者へ書面で確認しましょう。

4-1.検討中の人が聞くべき8つの質問

  1. 建築予定地は2027年4月以降も新築戸建ての対応エリアに含まれるか
  2. 注文住宅の新規受注期限はいつか
  3. 契約後の設計、施工管理、引き渡しはどの支社・支店が担当するか
  4. 担当者の異動時に誰が引き継ぐか
  5. 設計変更や追加見積りはいつまで対応できるか
  6. 引き渡し後の定期点検と修理窓口はどこになるか
  7. 保証内容と保証延長条件は再編後も変わらないか
  8. 災害や設備故障など緊急時の地域対応体制はどうなるか

口頭説明だけでなく、メールや書面で回答を残すことが重要です。

4-2.契約済みの人は契約書と工程表を確認する

契約済みの場合は、ニュースの見出しだけで慌てて解約を判断しないでください。請負契約書、約款、設計図書、見積書、工程表、保証書の内容が判断の基準です。

  • 工事を履行する会社と担当部署
  • 着工・上棟・竣工・引き渡し予定日
  • 仕様変更と追加費用の確定期限
  • 遅延時の取り扱い
  • 現場監督と連絡窓口
  • 引き渡し後の保証実施会社
  • 定期点検と修理受付の連絡先

不明点がある場合は、担当者だけでなく責任者や公式窓口にも確認し、回答を記録として残しましょう。

5.縮小市場で後悔しないハウスメーカーの選び方7つ

5-1.建築予定地で今後も受注する会社か確認する

最初に確認すべきなのは、現在建てられるかだけではなく、会社がその地域を今後も重点エリアと考えているかです。

展示場があることと、地域に営業・設計・施工・アフターの人員が十分いることは同じではありません。営業所の統廃合予定、施工可能エリア、アフター拠点、地域の年間施工棟数を聞いてください。

5-2.本体価格ではなく入居までの総額で比較する

広告の坪単価や本体価格だけでは予算を判断できません。少なくとも次の費用を含めて、同じ条件で各社を比較します。

  • 建物本体工事
  • 付帯工事
  • 地盤改良
  • 外構工事
  • 照明、カーテン、空調
  • 太陽光発電、蓄電池
  • 設計料、申請料
  • 登記、住宅ローン、火災保険などの諸費用
  • 土地代と土地の仲介手数料
  • 引っ越し、家具・家電

建物の予算だけを先に膨らませると、土地や外構を含めた段階で住宅ローンが過大になりやすいため、土地・建物・諸費用を合わせた総予算を先に決めましょう。

5-3.住宅性能を数値と計算方法で比較する

「高断熱」「地震に強い」という表現だけでは比較できません。性能は数値、計算書、測定方法で確認します。

比較項目確認したい内容
耐震耐震等級、構造計算の方法、地盤・基礎を含む設計方針
断熱断熱等性能等級、UA値、窓と断熱材の仕様
気密C値の目標、全棟で実測するか、測定時期
省エネ一次エネルギー消費量、太陽光を除いた住宅自体の性能
劣化対策防水、防蟻、換気、外壁・屋根の更新周期

目安として耐震等級3、地域に応じた断熱等性能等級6、樹脂サッシなどを候補にしつつ、間取り、開口部、敷地条件、予算とのバランスを確認すると比較しやすくなります。

5-4.地域の施工体制を確認する

同じブランドでも、実際に工事する協力会社や現場監督は地域によって異なります。会社のカタログ性能だけでなく、現場でその品質を再現できる体制があるかが重要です。

  • 年間施工棟数
  • 現場監督一人あたりの担当棟数
  • 主要な協力会社との取引年数
  • 工程ごとの検査項目
  • 第三者検査の有無
  • 施主が現場を確認できるタイミング
  • 断熱・気密施工後の写真記録

完成見学会だけでなく、可能であれば構造現場も見せてもらいましょう。

5-5.保証年数より「条件と窓口」を見る

30年保証、60年保証という年数だけで比較すると判断を誤ります。保証を延長するための有償点検・有償工事、対象外となる部位、設備保証の期間、会社がなくなった場合の扱いを確認してください。

確認項目質問例
初期保証構造・防水は何年まで無償か
延長条件何年目に、どの工事を、いくらで行う必要があるか
実施主体住宅会社、グループ会社、第三者保証会社のどこか
地域対応最寄り拠点と通常の訪問所要日数はどの程度か
緊急時漏水・停電・災害時の受付体制はあるか

5-6.会社の経営状態と事業方針を分けて見る

会社選びでは売上高の大きさだけでなく、次の情報を確認します。

  • 直近3期の売上高と営業利益
  • 営業キャッシュフロー
  • 自己資本比率と有利子負債
  • 受注残と年間引き渡し棟数
  • 完成保証制度への加入状況
  • 地域拠点の開設・閉鎖・統合状況
  • 新築、リフォーム、不動産など事業別の方針

今回の大和ハウスのように、会社全体の業績が好調でも、地域や商品によって撤退することがあります。反対に、地域密着の小規模会社でも、財務が健全で施工・アフター体制が充実している場合があります。

「大手だから絶対安心」「地元企業だから危険」という二択ではなく、自分の家を担当する事業・地域の継続性まで確認することが大切です。

5-7.担当者の提案力と会社の仕組みを両方見る

優秀な担当者は重要ですが、担当者個人だけで会社を決めるのは危険です。異動や退職があっても、打ち合わせ内容、要望、見積り、図面が社内で共有される仕組みがあるかを確認してください。

担当者を見るときは、メリットだけでなく、予算超過、敷地条件、できない要望、将来の修繕費まで説明するかが判断材料になります。

6.大手・地域ビルダー・工務店はどう比較すべきか

会社の規模ではなく、自分たちの予算、建築地、希望する自由度、性能、将来のメンテナンスに合うかで選びます。

選択肢主な強み注意点
大手ハウスメーカー商品開発、ブランド、工業化、保証網、提案資料が充実しやすい価格が高く、地域や商品を絞る動きが進む可能性
地域ビルダー地域対応と一定の施工規模を両立しやすい会社・支店ごとの差があり、展開地域外の対応は限定的
地元工務店柔軟な設計、地域の気候・職人・土地への理解財務、品質管理、保証、担当者依存度の確認が必要
規格住宅総額と工期を把握しやすく、仕様が安定しやすい間取りや仕様変更に制約がある
建売住宅土地と建物を総額で判断しやすく、実物を確認できる施工中の状態を確認できない場合があり、仕様変更が難しい
中古住宅+リノベーション立地や取得価格の選択肢を広げやすい耐震性、断熱性、劣化、修繕費の調査が必要

大和ハウスの撤退地域では、同価格帯の大手だけを探すのではなく、地域ビルダー、工務店、規格住宅、建売、中古住宅まで同じ総予算で比較すると選択肢が広がります。

7.ハウスメーカー選びで避けたい5つの失敗

7-1.ニュースだけで会社の安全性を決める

地域撤退、赤字、受注減、事業譲渡はそれぞれ意味が違います。見出しだけで「倒産する」「保証がなくなる」と判断せず、会社の公式発表、決算、対象事業、既存契約への対応を分けて確認しましょう。

7-2.キャンペーン期限で契約を急ぐ

受注終了の予定がある地域では、契約を急ぐよう促される可能性があります。しかし、間取り、仕様、総額、融資、工期、引き継ぎ体制が固まっていない状態での契約は避けるべきです。

期限に間に合わせるために比較や確認を省くくらいなら、別の住宅会社を選ぶ判断も必要です。

7-3.坪単価だけを比べる

坪単価には統一ルールがなく、会社によって含まれる工事が違います。本体工事だけの坪単価と、付帯工事・設備を含む坪単価を比べても意味がありません。

延床面積、施工面積、仕様、含まれる費用をそろえて比較してください。

7-4.長期保証の数字だけで安心する

保証は、会社の継続、地域の窓口、延長条件、実際の修理体制がそろって初めて機能します。保証書の約款まで確認し、将来必要になる有償工事の概算も聞きましょう。

7-5.借りられる金額を予算にする

建築費が上がると、住宅会社は月々の返済額を長期ローンで小さく見せる提案をしやすくなります。しかし、金融機関が貸せる金額と、教育費や老後資金を確保しながら返せる金額は別です。

現在の返済額だけでなく、収入減少、育休、金利上昇、固定資産税、保険、修繕費を含めて予算を決めてください。

8.住宅会社を比較する正しい順番

住宅展示場を回る前に、次の順番で条件を整理すると、営業担当者の提案に流されにくくなります。

  1. 手取り収入と支出から無理のない月返済額を決める
  2. 自己資金と諸費用を含む総予算を決める
  3. 土地、建物、付帯工事、外構、諸費用へ予算を配分する
  4. 建築地で対応可能な住宅会社を抽出する
  5. 耐震、断熱、間取り、保証など譲れない条件を決める
  6. 35社へ同じ条件を伝えて見積りを取る
  7. 仕様と総額を横並びにして比較する
  8. 契約前に図面、見積書、保証条件、工程を第三者も含めて確認する

先に展示場へ行くと、その会社の商品を前提に予算や要望を組み立ててしまいがちです。家計と条件を先に決め、その条件に合う会社を選ぶ順番に変えましょう。

9.大和ハウスの撤退に関するよくある質問

9-1.大和ハウスは注文住宅事業をやめるのですか?

いいえ。2027年4月から新築戸建住宅の展開地域を都市圏中心に絞る再編であり、注文住宅事業全体からの撤退ではありません。

9-2.大和ハウスが倒産する可能性が高いということですか?

今回の発表だけを根拠に、そのように判断することはできません。2026年3月期の大和ハウスグループは過去最高業績を公表しています。

今回の再編は、国内新築戸建ての地域別採算と将来需要を踏まえた経営資源の集中と考えられます。

9-3.すでに住んでいる家の保証はなくなりますか?

公式発表では、既存オーナーへのアフターサービスを新会社が全国で継続するとしています。ただし、窓口や担当部署が変わる可能性があるため、会社からの案内と保証書を確認してください。

9-4.撤退地域で契約済みでも建てられますか?

個別の契約と工程によります。工事の履行主体、担当支店、着工・引き渡し予定、再編後の保証窓口を担当者と責任者へ書面で確認してください。

9-5.大手より工務店を選ぶべきですか?

一律には決められません。大手にも工務店にも強みと注意点があります。建築地での施工・アフター体制、総額、性能、設計自由度、財務、保証を同じ条件で比較して選ぶべきです。

まとめ

大和ハウスの23道県からの撤退は、注文住宅事業の全面撤退でも、既存住宅のアフターサービス終了でもありません。新築戸建てを都市圏と高付加価値帯へ集中し、全国では住宅ストック事業を強化する再編です。

一方で、この動きは注文住宅市場の縮小、建築費上昇、地域ごとの需要差、人手不足により、大手ハウスメーカーであっても全国一律の事業体制を維持しにくくなっていることを示しています。

これからの住宅会社選びでは、知名度や保証年数だけでは不十分です。

  • 自分の建築地を今後も重点地域とするか
  • 入居までの総額が予算内か
  • 性能が数値と仕様書で確認できるか
  • 地域の施工管理体制が整っているか
  • 保証を実行する拠点と人員がいるか
  • 会社と地域事業の継続性があるか

この6点を同じ条件で比較してください。特に撤退予定地域でダイワハウスを検討中・契約中の方は、受注期限、施工担当、引き渡し、保証窓口を早めに書面で確認することが重要です。

この記事の監修

マイホームヒーローズ代表 潟沼勇気
宅地建物取引士・FP2級・住宅ローンアドバイザー

出典・引用元

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