2026年9月、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行、三井住友信託銀行の大手5行が、住宅ローンの10年固定型における最優遇金利を一斉に引き上げました。

さらに、三菱UFJ銀行と三井住友銀行は、利用者の多い変動金利も0.25ポイント引き上げています。

注文住宅では、住宅会社との契約から住宅ローンの実行まで半年以上かかることがあります。契約時に想定していた金利より、完成・引き渡し時の金利が高くなり、月々の返済額が増えるケースも考えられます。

この記事では、2026年9月の住宅ローン金利、5,000万円を借りた場合の返済額、固定金利と変動金利の選び方、家づくりを進める人が今すぐ確認すべきことを解説します。

この記事の結論

  • 大手銀行5行の10年固定型は、前月比0.040.16ポイント引き上げられた
  • 5,000万円を35年返済で借りる場合、当初の月返済額は前月より1,2004,800円増える試算
  • 三菱UFJ銀行と三井住友銀行は変動金利も0.25ポイント引き上げた
  • 10年固定は全期間固定ではなく、11年目以降の金利と優遇幅を確認する必要がある
  • 注文住宅では申込時ではなく融資実行時の金利が適用される商品が多いため、完成までの金利上昇を見込んだ予算設定が重要
  • 金利上昇を理由に慌てて契約せず、建物・土地・諸費用を含む総予算から借入額を見直す必要がある

1.大手銀行5行が2026年9月の固定金利を引き上げ

大手銀行5行は、2026年9月から適用する住宅ローンの10年固定型について、最優遇金利を一斉に引き上げました。

金融機関2026年8月2026年9月引き上げ幅
三菱UFJ銀行年3.59%年3.63%0.04ポイント
三井住友銀行年3.65%年3.70%0.05ポイント
みずほ銀行年3.35%年3.45%0.10ポイント
りそな銀行年3.795%年3.955%0.16ポイント
三井住友信託銀行年4.105%年4.195%0.09ポイント

今回引き上げられたのは、主に借入当初の10年間だけ金利を固定する「10年固定型」です。

同じ固定金利でも、完済まで金利が変わらない全期間固定型とは仕組みが異なります。

また、上記は各銀行が公表・報道された最優遇金利です。実際の適用金利は、借入割合、審査結果、団体信用生命保険、住宅性能、申込方法などによって異なります。

2.固定金利が一斉に上がった理由

2-1.長期金利の上昇が固定金利へ反映された

住宅ローンの固定金利は、10年物国債利回りなどの長期金利から影響を受けます。

金融機関は市場から資金を調達して住宅ローンを貸し出すため、長期金利が上昇すると資金調達コストも高くなります。その結果、住宅ローンの固定金利にも上昇圧力がかかります。

2026年8月31日には、日本の長期金利が一時2.95%まで上昇しました。世界的な金利上昇や日本の財政に対する懸念などが背景として報じられています。

2-2.日銀の利上げが変動金利にも影響している

日本銀行は2026年6月、政策金利を0.75%程度から1.0%程度へ引き上げました。

変動金利は長期金利ではなく、政策金利や短期プライムレートの影響を受けます。そのため、固定金利だけでなく変動金利にも金利上昇が広がっています。

今回の9月金利では、三菱UFJ銀行と三井住友銀行が変動金利を0.25ポイント引き上げました。

3.5,000万円を借りると返済額はいくら増える?

5,000万円を35年間、元利均等返済、ボーナス返済なしで借りる場合の返済額を試算します。

10年固定型は11年目以降に適用金利が変わるため、ここでは借入当初の月返済額と最初の10年間の支払額への影響を比較します。

金融機関8月金利の月返済額9月金利の月返済額毎月の増加額10年間の支払増加額
三菱UFJ銀行約20万9,300円約21万400円約1,200円約14万円
三井住友銀行約21万1,000円約21万2,500円約1,500円約17万6,000円
みずほ銀行約20万2,300円約20万5,200円約2,900円約34万5,000円
りそな銀行約21万5,300円約22万円約4,800円約57万1,000円
三井住友信託銀行約22万4,500円約22万7,300円約2,700円約32万7,000円

今回の引き上げだけを見ると、毎月の増加額は数千円程度です。

しかし、住宅ローンは借入額が大きく、返済期間も長いため、金利上昇が繰り返されると家計への影響も大きくなります。

なお、この試算は金利以外の条件を同一にした概算です。融資手数料、保証料、団体信用生命保険の上乗せ金利、固定期間終了後の金利などは含んでいません。

4.変動金利も三菱UFJ銀行と三井住友銀行が引き上げ

2026年9月は、固定金利だけでなく一部の変動金利も引き上げられました。

金融機関2026年8月2026年9月引き上げ幅
三菱UFJ銀行年0.945%年1.195%0.25ポイント
三井住友銀行年1.275%年1.525%0.25ポイント

5,000万円を35年間、元利均等返済で新たに借りる前提では、次のような差になります。

金融機関引き上げ前の月返済額引き上げ後の月返済額毎月の増加額
三菱UFJ銀行約13万9,900円約14万5,700円約5,900円
三井住友銀行約14万7,600円約15万3,700円約6,100円

変動金利は固定金利より当初返済額を抑えやすい一方、将来の金利と返済額が確定していません。

今回公表された金利は、主に新規借入時の条件です。すでに変動金利で借りている人については、契約内容や基準金利の見直し時期によって、適用時期や返済額への反映方法が異なります。

5.すでに住宅ローンを借りている人への影響

5-1.固定期間中の

固定期間中であれば、原則として期間終了までは適用金利と返済額は変わりません。

ただし、10年固定型は10年間だけ金利を固定する商品です。固定期間終了後は、その時点の金利を基準に、再び固定金利を選ぶか変動金利へ移行することになります。

契約時の優遇幅が固定期間終了後も維持されるとは限らないため、次の項目を確認してください。

  • 固定期間が終了する年月
  • 終了後に適用される金利の決まり方
  • 終了後の優遇幅
  • 固定金利を再選択する際の手数料
  • 他行へ借り換える場合の諸費用

5-2.変動金利で返済中の

変動金利は、一般的に半年ごとに適用金利が見直されます。ただし、見直し時期や返済額への反映方法は金融機関によって異なります。

元利均等返済では、返済額を5年間据え置く「5年ルール」や、見直し後の返済額を以前の125%以内に抑える「125%ルール」が設けられている商品もあります。

ただし、これらは金利上昇を免除する仕組みではありません。毎月返済額がすぐに増えなくても、返済額に占める利息の割合が増え、元金の減りが遅くなる可能性があります。

また、5年ルールや125%ルールがない商品もあるため、契約内容の確認が必要です。

5-3.注文住宅を建築中の

注文住宅で特に注意したいのが、住宅ローンの申込時と融資実行時のずれです。

多くの住宅ローンでは、事前審査や本審査を申し込んだ月ではなく、建物が完成して住宅ローンを実行する月の金利が適用されます。

例えば、2026年4月に住宅会社と契約していても、完成が2026年10月であれば、原則として10月の適用金利が基準になります。

着工前や建築中の人は、次の点を金融機関へ確認しましょう。

  • どの時点の金利が適用されるか
  • 金利を事前に固定できる商品があるか
  • 融資実行が遅れた場合の取り扱い
  • つなぎ融資の金利と手数料
  • 金利上昇時に借入額や返済期間を変更できるか

6.10年固定と全期間固定を混同しない

今回報道された「10年固定型」は、35年間ずっと同じ金利になる住宅ローンではありません。

比較項目10年固定型全期間固定型
金利が固定される期間当初10年間完済まで
11年目以降金利を再設定金利は変わらない
当初金利全期間固定より低い場合がある10年固定より高い場合がある
将来の返済額確定していない契約時に確定する
向いている人10年以内に繰上返済できる人、一定期間の支出を安定させたい人金利上昇を避け、返済額を確定したい人

10年固定型では、固定期間終了後に金利が上昇していると、11年目から返済額が大きく増える可能性があります。

当初10年間の金利だけでなく、固定期間終了後の優遇条件まで比較することが重要です。

7.固定金利と変動金利はどちらを選ぶべき?

金利が上昇しているからといって、すべての人が固定金利へ切り替えるべきとは限りません。

重要なのは、将来の金利を当てることではなく、金利が上がった場合にも家計を維持できる借入額に抑えることです。

金利タイプ向いている世帯
変動金利借入額に余裕があり、金利上昇時に繰上返済や返済額増加へ対応できる世帯
10年固定教育費などが増える一定期間だけ返済額を固定したい世帯
全期間固定毎月返済額を確定させ、金利上昇リスクを避けたい世帯
ミックスローン金利上昇リスクを分散しながら、当初返済額も抑えたい世帯

共働き世帯の場合、現在の世帯年収だけで判断するのは危険です。

育休、時短勤務、退職、転職、子どもの教育費などによって、将来の手取り収入が下がる可能性があります。夫婦の収入を上限まで合算するのではなく、片方の収入が減った場合にも返済できるか確認しましょう。

8.家づくり中の人が今すぐ確認すべき5つのこと

8-1.借入可能額ではなく返済可能額を確認する

銀行が貸してくれる金額と、家計から無理なく返せる金額は異なります。

住宅ローンだけでなく、固定資産税、火災保険、地震保険、修繕費、駐車場代などを含めて毎月の住居費を計算してください。

8-2.金利が1.5ポイント上がった場合も試算する

変動金利を選ぶ場合は、現在の適用金利だけで判断せず、金利が1.0ポイント、1.5ポイント上昇した場合の返済額も確認しましょう。

これは将来の金利を予測するものではなく、家計がどこまで耐えられるかを確認するためのストレステストです。

8-3.最低金利ではなく実際の提示条件を比較する

広告に掲載されている最優遇金利が、すべての人に適用されるわけではありません。

複数の金融機関で事前審査を行い、次の条件を同じ表にまとめて比較しましょう。

  • 実際に提示された金利
  • 融資手数料と保証料
  • 団体信用生命保険の保障内容
  • 繰上返済手数料
  • 返済期間
  • 借入可能額
  • 金利優遇の条件
  • 固定期間終了後の優遇幅

8-4.住宅ローンの実行予定月を確認する

注文住宅では、建物の完成が遅れると住宅ローンの実行月も変わる可能性があります。

着工から引き渡しまでのスケジュールを住宅会社へ確認し、実行月がずれた場合の金利上昇も予算に含めておきましょう。

8-5.金利上昇を理由に契約を急がない

「来月はさらに金利が上がるかもしれない」と言われても、住宅会社との契約を急ぐべきではありません。

住宅会社の比較不足や、見積りに含まれていない付帯工事・外構費の見落としによって、金利上昇以上の予算超過が発生することがあります。

契約前に、土地、建物、付帯工事、外構、諸費用、住宅ローン費用を含む総額を確認することが優先です。

9.フラット35も3.46%へ上昇

住宅金融支援機構によると、2026年9月のフラット35における最も多い金利は、借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きで3.46%です。

融資率が9割を超える場合の最も多い金利は3.57%となっています。

ただし、フラット35には住宅性能や家族構成などに応じた金利引き下げ制度があります。

例えば、子育て世帯や若年夫婦世帯、エネ性能の高い住宅などは、条件を満たすことで当初一定期間の金利が引き下げられる可能性があります。

表面上の3.46%だけで判断せず、自分たちが利用できる金利引き下げメニューも確認しましょう。

10.今後も住宅ローン金利は上がる?

今後の金利を正確に予測することはできません。

ただし、固定金利に影響する長期金利が高い水準で推移し、日銀が政策金利を引き上げていることを考えると、住宅ローン金利が以前の超低金利へすぐ戻ることを前提に予算を組むのは危険です。

今後の金利を判断する際は、次の動きを確認する必要があります。

  • 日本銀行の金融政策決定会合
  • 政策金利の変更
  • 10年物国債利回り
  • 各銀行の短期プライムレート
  • 銀行ごとの金利優遇幅
  • フラット35の毎月の適用金利

一方で、金利上昇を恐れて住宅購入そのものを諦める必要はありません。

借入額を抑える、建物と土地の予算配分を見直す、複数の住宅会社と金融機関を比較することで、返済リスクを抑えられる可能性があります。

まとめ

2026年9月、大手銀行5行は10年固定型住宅ローンの最優遇金利を一斉に引き上げました。

5,000万円を35年返済で借りる場合、今回の引き上げによって当初の月返済額は1,2004,800円増える試算です。

さらに、三菱UFJ銀行と三井住友銀行は変動金利も0.25ポイント引き上げました。固定金利だけでなく、変動金利にも上昇の動きが広がっています。

これから家を建てる人は、現在の最低金利だけで判断せず、次の3点を確認してください。

  1. 住宅ローンを実行する月の金利
  2. 金利が1.01.5ポイント上がった場合の返済額
  3. 土地・建物・外構・諸費用を含めた総予算

特に注文住宅は契約から融資実行まで時間がかかります。住宅会社から提示された借入可能額をそのまま予算にせず、将来の金利上昇や収入減少にも耐えられる返済可能額から計画を立てましょう。

この記事の監修

マイホームヒーローズ代表 潟沼勇気
宅地建物取引士・FP2級・住宅ローンアドバイザー

出典・引用元

  • [テレビ朝日「大手5行 9月の住宅ローン固定金利引き上げ」](https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000530042.html) 2026年8月31日配信・2026年9月5日確認
  • [三菱UFJ銀行「住宅ローン金利」](https://www.bk.mufg.jp/kariru/jutaku/yuuguu/index.html) 2026年9月1日時点・2026年9月5日確認
  • [三井住友銀行「住宅ローン金利」](https://www.smbc.co.jp/kojin/jutaku_loan/kinri/) 2026年9月5日確認
  • [みずほ銀行「住宅ローンの金利一覧」](https://www.mizuhobank.co.jp/loan_housing/housingloancost/index.html) 2026年9月5日確認
  • [りそな銀行「ローン金利」](https://www.resonabank.co.jp/kojin/loan_kinri.html) 2026年9月5日確認
  • [三井住友信託銀行「新たにお借り入れの方向け 多彩な金利コース」](https://www.smtb.jp/personal/loan/house/various-rates) 2026年9月5日確認
  • [住宅金融支援機構「2026年9月のフラット35金利情報」](https://www.simulation.jhf.go.jp/flat35/kinri/index.php/rates/top) 2026年9月5日確認
  • [日本銀行「金融市場調節方針の変更」](https://www.boj.or.jp/en/mopo/mpmdeci/mpr_2026/k260616a.pdf) 2026年6月16日公表・2026年9月5日確認
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