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シアーズホームの住宅ローン不正とは|5媒体で確認した98件・127件の違いと住宅会社選びの注意点

8分監修:潟沼勇気
シアーズホームの住宅ローン不正とは|5媒体で確認した98件・127件の違いと住宅会社選びの注意点

熊本の住宅メーカー、シアーズホームグループが2026年10月9日、住宅ローンの申し込みを金融機関に取り次ぐ際に、書類の改ざんなどの不適切な行為があったと発表しました。

今回の問題では、顧客の収入などを実際とは異なる内容に変更し、融資を受けられるようにしていたことが報じられています。住宅会社に資金計画を任せている方にとって、見過ごせないニュースです。

一方、報道には「98件」「127件」という異なる数字が登場します。発覚の経緯や不正が確認された期間も、媒体によって説明の範囲が異なっています。

この記事では、RKK熊本放送、KKT熊本県民テレビ、テレビ熊本、熊本朝日放送、熊本日日新聞の5媒体を参照し、確認できた事実と未確定の事項を整理します。あわせて、住宅会社選びや住宅ローンの申し込みで確認したいポイントを解説します。

5媒体は何を報じたのか

参照した媒体と、それぞれの確認事項

今回参照した報道機関と記事の内容は、次のとおりです。

Yahoo!ニュースやライブドアニュースなどへの転載は、配信元と別の独立した報道として数えていません。RKKとKKTについては、配信元を明示したライブドアニュース掲載記事を確認しています。

報道機関確認した記事の公表日時主な確認事項
RKK熊本放送2026年10月9日18時33分事実と異なる書類による融資実行98件、社員46人の懲戒処分、社長の報酬返上
KKT熊本県民テレビ2026年10月9日18時58分不適切な申し込み127件、2024年10月の問題把握、金融機関・顧客との協議
テレビ熊本2026年10月9日19時00分源泉徴収票や勤務先の改ざん、対象外資金の追加、14金融機関への申し込み
熊本朝日放送2026年10月9日18時43分2012年ごろからの行為確認、2021年以降の急増、営業報酬や管理体制の問題
熊本日日新聞2026年10月9日15時15分約100件の不適切行為、複数の営業社員の関与、上司による黙認

この表は、各媒体が報じた内容を整理したものです。同じ記者会見や調査結果を基にしている部分があり、5媒体すべてが独自に全案件を検証したという意味ではありません。ライブドアニュース

公式サイトにもお知らせが掲載されている

シアーズホームグループHDの公式サイトには、2026年10月9日付で「当社グループにおける不適切事案に関するお詫びとお知らせ」が掲載されていることを確認しました。

ただし、今回の調査ではリンク先の本文を取得できませんでした。したがって、以下の件数や処分、経緯については、確認できた報道に基づいて記載しています。searshomegroup.co.jp

「98件」と「127件」は何が違うのか

98件は、事実と異なる書類で融資が実行されたケース

RKK熊本放送は、少なくとも2021年から2025年までの間に、事実と異なる書類で住宅ローンが実行されたケースが98件あったと報じています。

ここでのポイントは、申し込みだけでなく、実際に融資が行われたケースを数えていることです。ライブドアニュース

127件は、不適切な申し込みとして確認された件数

テレビ熊本は、融資が実行されたものを含め、不適切な住宅ローンの申し込みが127件あったと報じています。KKT熊本県民テレビも、虚偽の書類を用いた申し込み127件を伝えています。fnn.jp

数字報道上の意味読むときの注意点
98件事実と異なる書類によって融資が実行されたケース融資実行に着目した数字
127件融資実行分を含む、不適切な申し込みすべてが融資実行に至ったとは限らない
約100件熊本日日新聞の速報で示された件数速報本文では詳細な内訳を確認できない

そのため、「98件という報道は誤りで、正しくは127件だった」と単純に置き換えるのは適切ではありません。

また、127件から98件を引くと29件ですが、その29件がすべて審査否決だったのか、取り下げだったのか、別の集計条件があるのかは確認できません。差分の内訳を推測で埋めないことが必要です。

住宅ローンで、どのような不正が報じられたのか

源泉徴収票や勤務先情報の改ざん

テレビ熊本は、関係した社員が顧客の源泉徴収票や勤務先を改ざんしていたと報じています。

熊本朝日放送は、源泉徴収票に記載された収入の書き換えが最も多く、実際の収入に数百万円を上乗せしたケースもあったと伝えています。fnn.jp

収入の数字を書き換えても、実際の給与が増えるわけではありません。融資額が大きくなれば、その返済を支えるのは本来の家計です。

書類上の年収と、暮らしの中で使えるお金の間に差が生じることが、この問題を住宅購入者の立場から考えるうえでの重要な点です。

対象外の自動車ローン借り換え資金を追加

テレビ熊本とKKT熊本県民テレビは、住宅ローンの対象にならない自動車ローンの資金を加えていたことも報じています。fnn.jpここでは、他の借り入れをまとめられる金融商品があるかどうかと、実際に申し込む商品の資金使途が正しく申告されているかを分けて考える必要があります。

今回報じられた問題は、対象にならない資金を加えて申し込みを行っていたことです。「住宅会社が手続きをしてくれるから大丈夫」と考えず、借入金の使い道を自分でも確認することが大切です。

14の金融機関への不適切な申し込み

テレビ熊本によると、不適切な申し込みは14の金融機関に対して行われていました。fnn.jpただし、この数字だけで14金融機関が不正を認識していたとはいえません。今回確認した情報では、金融機関ごとの認識、審査の経緯、責任の範囲までは判断できません。

いつから行われ、どのように発覚したのか

不正の期間は、媒体によって説明の範囲が異なる

RKK熊本放送は、少なくとも2021年から2025年までの融資実行98件を報じています。

一方、熊本朝日放送は、不適切な行為が2012年ごろから2025年8月までに確認され、2021年から急増していたと伝えています。ライブドアニュース

このため、現段階で「不正は2021年に始まった」と断定することはできません。

2021年以降の融資実行に関する説明と、それ以前を含む不適切行為の説明では、対象範囲が異なる可能性があると整理するのが妥当です。

2024年10月と2025年8月の説明は、分けて読む

発覚時期についても、報道に違いがあります。

時期媒体が伝えた内容
2024年10月KKTは、住宅ローンに対象外の自動車ローン資金を加えていたことが分かった時期として説明
2025年8月RKKは、金融機関からの問い合わせで問題が発覚した時期として説明
2026年10月9日会社側が記者会見を開き、不適切な行為や処分を公表

KKTは、対象外資金の問題を受けて外部による調査を進め、その後、収入証明書類などの改ざんも明らかになったと報じています。ライブドアニュース

ただし、2024年10月と2025年8月が、それぞれ社内調査のどの段階に当たるのかは、確認した情報だけでは十分に照合できません。

「2024年にすべて把握していた」「2025年まで一切把握していなかった」といった断定は避ける必要があります。

社員46人の処分と、会社側が説明した原因

46人全員が解雇されたわけではない

各媒体は、関係した社員46人に懲戒処分が行われたと報じています。処分には懲戒解雇や降格などが含まれ、KKT熊本県民テレビは、そのうち1人が懲戒解雇になったと伝えています。fnn.jpしたがって、「社員46人を解雇」と表現するのは不正確です。

また、RKK熊本放送は、橋本葵社長が役員報酬の50%を1年間返上すると報じています。ライブドアニュース

上司による黙認も指摘されている

熊本日日新聞は、複数の営業社員が関与し、上司も不適切な行為だと認識しながら黙認していたと報じています。テレビ熊本も、処分対象に黙認した上司が含まれることを伝えています。kumanichi.comこの点からは、担当者個人の問題に加え、上司の確認や社内の管理が機能していたかが問われていると考えられます。

住宅会社を選ぶ際にも、担当者への信頼だけでなく、書類を確認する仕組みや、疑問を別の部署に相談できる体制を確認したいところです。

売り上げへの圧力と、顧客本位の取り違え

KKT熊本県民テレビは、会社側が説明した背景として、次の4点を挙げています。

  • 顧客のためなら不適切な方法も許されるという認識
  • 案件獲得や売り上げを優先する意識と圧力
  • 法令やルールを守る意識の不足
  • 内部監査などの管理体制の不備

熊本朝日放送も、営業成績に応じた報酬や売り上げへのプレッシャーを原因として伝えています。ライブドアニュース

ここからは、本来なら予算の見直しを提案すべき場面でも、契約や融資実行を優先してしまった可能性が考えられます。これは報道された原因を踏まえた編集上の考察です。

顧客の希望をかなえることと、正しい審査を受けて無理のない資金計画を立てることは、両立させなければなりません。

顧客への影響は、どこまで分かっているのか

住宅ローンの継続などについて協議している

KKT熊本県民テレビは、シアーズホームグループが14の金融機関や顧客と、住宅ローンの継続などについて協議していると報じています。ライブドアニュースただし、これは全顧客の対応が決まったという意味ではありません。

今回確認した情報では、次の点は確定できません。

項目確認状況
不適切な申し込み全体の融資総額確認できない
個々の顧客の返済状況や延滞の有無確認できない
顧客が改ざんを知っていたか一律には判断できない
顧客ごとのローン継続条件確認できない
補償や費用負担の具体的な内容確認できない
刑事責任や行政処分の結論確認できない

「不正があったから全員が一括返済になる」「会社がすべての返済を負担する」といった結論は、現段階の情報からは出せません。

契約者は、自分の提出書類を確認する

以下は、報道内容を踏まえた実務上の確認案です。

同社を通じて住宅ローンを申し込んだ方で不安がある場合は、自分が提出した資料と、金融機関に渡された内容を照合することから始めると、相談事項を具体化できます。

  • 源泉徴収票などの収入資料の写しを手元に保管している
  • 申込書の年収・勤務先・勤続年数が実際の情報と一致している
  • 他の借り入れが正しく記載されている
  • 借入金の使い道を説明できる
  • 自分の申し込みが今回の調査対象か確認している
  • 会社と金融機関の説明を記録として残している

不一致が見つかった場合は、担当者の口頭説明だけで判断せず、会社の対応窓口と金融機関に確認してください。契約上の扱いや責任について判断が必要になった場合は、関係資料をそろえたうえで弁護士などへ相談することが考えられます。

これから住宅会社を選ぶ人が確認したいこと

「審査に通せる」だけで判断しない

住宅会社が金融機関との連絡や資料の整理を支援することはあります。しかし、申し込み内容が事実と一致しているかは、購入者自身も確認する必要があります。

たとえば、次のような説明を受けた場合は、そのまま手続きを進めず、根拠を確認しましょう。

担当者からの説明例確認したいこと
この年収で申請すれば通ります申請する年収が実際の収入資料と一致しているか
他の借り入れは書かなくて大丈夫です金融機関の申告項目に従っているか
車のローンも住宅ローンに入れられます実際に申し込む商品の対象資金か
書類はこちらで直しておきます何を、どの根拠で変更するのか
全部任せてもらえれば大丈夫です提出する申込書や資料を本人が確認できるか

これは一般的な確認例であり、今回の事件でこうした説明が実際に行われたと示すものではありません。

担当者だけでなく、会社の確認体制を見る

住宅会社の比較では、価格、断熱性能、耐震性能、間取りに目が向きやすくなります。今回の問題を踏まえると、資金計画や書類管理も比較の対象にしたいところです。

確認項目質問例
申し込み内容の本人確認金融機関へ提出する前に、申込書一式を確認できますか
書類の変更管理修正が必要な場合、変更点をどのように説明しますか
予算超過への対応借入額を増やす以外に、仕様や計画の見直し案を出せますか
社内の確認体制営業担当者以外に、資金計画や提出資料を確認する人はいますか
相談窓口担当者に疑問がある場合、どこへ相談できますか
金融機関との連絡必要な条件を、自分でも金融機関に確認できますか

特に大切なのは、希望する金額を借りる方法だけでなく、借り入れを抑える方法も一緒に考えてくれるかです。

借入額より先に、家計から住宅予算を決める

以下は、今回の事件の個別分析ではなく、住宅予算を考えるための編集上の提案です。

予算は、現在の収入だけでなく、入居後の暮らしを具体的に想定して検討します。

  1. 毎月の手取り収入と生活費を整理する
  2. 教育費や老後資金として残したい金額を決める
  3. 固定資産税、保険、修繕などの住宅関連費用を見込む
  4. 育休や時短勤務など、収入が減る時期を想定する
  5. 金利や生活費が上がった場合の余裕を確認する
  6. そのうえで、住宅購入に充てる返済額と総予算を決める

審査に通ったことだけで、家計に余裕があるとは判断できません。まして、実際と異なる情報で融資額を増やしても、返済を支える収入は変わりません。

まとめ

シアーズホームグループの住宅ローン問題について、熊本の新聞・テレビ5媒体を確認した結果、書類改ざんや対象外資金の追加、社員46人の処分、売り上げを優先する企業風土や管理体制の問題が報じられていました。

件数は、融資実行98件と、不適切な申し込み127件を区別する必要があります。不正の期間や発覚時期についても、各媒体が説明している範囲を確認し、情報を一つにまとめて断定しないことが大切です。

契約者の方は、自分の提出書類と金融機関に渡された内容を確認し、個別の対応について会社と金融機関から説明を受けてください。

これから家づくりを始める方は、価格や住宅性能に加えて、資金計画の正確さ、書類の確認体制、予算を抑える提案にも目を向けましょう。住宅ローンは、正しい情報で申し込み、入居後の生活を支えられる範囲で組むことが基本です。

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