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タマホーム住宅事業が赤字に|2026年決算から考える注文住宅と建売の選び方

タマホームの住宅事業が、2026年5月期に約11億円の赤字となりました。検討中の方は、「このまま依頼して大丈夫なのか」「注文住宅より建売を選んだ方がよいのか」と気になるかもしれません。
まず押さえたいのは、約11億円の赤字は、注文住宅やリフォームなどを含む住宅事業の損益を指すことです。タマホームの連結決算は、営業利益・最終利益ともに黒字でした。tamahome.jp
この記事では、2026年10月4日付の楽待新聞の記事とタマホームの公式決算資料をもとに、業績悪化の背景を整理します。そのうえで、これから家を買う方が、注文住宅と建売住宅をどう比較し、住宅会社の何を確認すればよいかを解説します。
タマホームの「約11億円の赤字」は何を意味する?
住宅事業は赤字、連結決算は黒字
2026年5月期は、2025年6月1日から2026年5月31日までの業績です。主な数値を前年と比べると、次のようになります。
| 指標 | 2025年5月期 | 2026年5月期 |
|---|---|---|
| 連結売上高 | 2,008.17億円 | 1,977.40億円 |
| 連結営業利益 | 41.13億円 | 38.42億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 14.78億円 | 12.13億円 |
| 住宅事業の営業損益 | 3.30億円の黒字 | 10.66億円の赤字 |
| 不動産事業の営業利益 | 24.18億円 | 35.81億円 |
出典:タマホーム「2026年5月期 決算短信」「2026年5月期 決算説明資料」。金額は公表値を億円に換算。tamahome.jp
注文住宅などを扱う住宅事業の苦戦を、戸建分譲などを扱う不動産事業が補っている構図です。
住宅事業の赤字は注意して見るべき変化ですが、この数字だけで倒産の可能性や個別住宅の施工品質を判断することはできません。経営面では、利益の推移に加え、現預金、借入金、資金繰りなども確認する必要があります。
「住宅事業の赤字」と「1棟ごとの赤字」は異なる
住宅事業の損益には、住宅を建てるための原価だけでなく、営業活動や事業運営にかかる費用も影響します。
そのため、部門全体が赤字であることから、「販売している住宅はすべて原価割れ」「工事費を削らないと建てられない」と結論づけることもできません。
住宅購入者にとっては、経営情報を確認しつつ、自分たちの契約で、どの仕様の家を、誰が管理し、どの条件で完成させるのかを具体的に確かめることが重要です。
低価格の注文住宅でも苦戦するのはなぜ?
材料費の上昇を、販売価格へ反映しにくい
タマホームは決算短信で、建築コストの高止まりや資材価格の上昇を事業環境として挙げています。tamahome.jp価格を抑えた住宅を求める方が多くても、住宅会社が同じ価格で提供し続けられるとは限りません。仕入れや施工にかかる費用が増えると、販売価格の維持と利益の確保を両立する難しさが増します。
一方で、値上げすれば、購入者の予算から外れる可能性があります。特に土地も購入する方は、建物価格だけを見て予算を決められません。
ここから家づくりで意識したいのは、「ローコスト住宅なら予算内に収まる」という会社名ベースの判断を避けることです。希望する土地と仕様で、実際に見積りを取って比較しましょう。
販売棟数が減ると、事業を維持する費用が重くなる
一般に住宅会社には、展示場や営業拠点の維持費、人件費など、販売棟数に合わせてすぐには減らしにくい費用があります。
そのため、販売棟数が減ると、売上の減少以上に利益が落ち込むことがあります。低価格と販売規模を強みにする事業では、一定の棟数を確保できるかが収益に影響します。
ただし、タマホームの減益をすべてこの仕組みだけで説明できるわけではありません。商品構成、販売施策、原価、営業体制などを合わせて見る必要があります。
市場環境に加え、営業・施工体制の改善も課題
同社は公式の社長メッセージで、営業人員の採用・育成、営業プロセスの見直し、営業力・施工力の強化などに取り組む方針を示しています。家を建てるならタマホーム株式会社住宅会社にとっては、集客したお客様へ適切に提案し、設計から施工へ引き継ぎ、予定どおり引き渡す体制が欠かせません。
購入者側も、営業担当者との相性に加えて、設計担当者や現場監督との連携を確認するとよいでしょう。例えば、変更内容をどの書面に残すのか、工事中の質問を誰が受け付けるのかが、確認するポイントになります。
注文住宅が減り、戸建分譲が増えた背景
タマホームの受注・引渡棟数には違いが出ている
2026年5月期の棟数を見ると、注文住宅と戸建分譲で動きが分かれています。
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| 指標 | 2025年5月期 | 2026年5月期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 注文住宅の受注棟数 | 7,375棟 | 7,195棟 | 2.4%減 |
| 注文住宅の引渡棟数 | 5,598棟 | 5,176棟 | 7.5%減 |
| 戸建分譲の受注棟数 | 1,461棟 | 1,614棟 | 10.5%増 |
| 戸建分譲の引渡棟数 | 1,348棟 | 1,444棟 | 7.1%増 |
出典:タマホーム「2026年5月期 決算説明資料」。tamahome.jp
受注は契約を獲得した段階、引渡しは完成した住宅をお客様へ渡した段階の指標です。工事に時間がかかるため、同じ年度でも対象となる住宅は一致しません。
戸建分譲について、同社の決算短信では、用地仕入れの進捗や販売活動の強化が引渡棟数の増加につながったと説明しています。tamahome.jp
購入者には、総額や入居時期を把握しやすい利点がある
楽待新聞の記事は、マンション価格上昇に伴う戸建住宅への需要移動や、購入者が立地・資産価値を重視するようになった可能性を指摘しています。これは記事の分析であり、すべての購入者の意識変化を示すものではありません。
家選びの実務で考えると、建売住宅には次のような比較のしやすさがあります。
- 土地と建物の価格がまとめて提示される
- 完成済みなら、日当たりや部屋の広さを現地で確認できる
- 間取りや設備を決める打ち合わせの負担を抑えやすい
- 完成状況や契約条件によって、入居時期を見通しやすい
ただし、建売でも諸費用や追加工事費は確認が必要です。広告の販売価格だけで、そのまま入居できるとは限りません。
1社の決算と住宅市場全体は分けて読む
2026年8月の全国の新設住宅着工戸数は、前年同月比で6.1%増加しました。一方、季節調整済年率換算値は前月比2.7%減少しています。国土交通省このように、比較する時期や指標によって見え方は変わります。全国の新設住宅着工には、持家、貸家、分譲住宅などが含まれ、タマホームの注文住宅受注とは集計対象も異なります。
タマホームの注文住宅が減ったことから、すべての注文住宅会社が同じ状況にあるとはいえません。 希望する地域で、どの会社がどの価格・性能の住宅を供給しているかまで確認しましょう。
タマホームの回復計画は、家づくりにどう関係する?
タマホームは、新たな中期経営計画「タマステップ2031」を打ち出しています。楽待新聞が紹介した計画では、2031年5月期に売上高3,100億円、営業利益160億円を目指しています。これらは将来の目標であり、達成済みの実績ではありません。
同社の公式メッセージでは、注文住宅の収益基盤の強化に加え、商品価値の向上、人的資本への投資、戸建分譲・リフォーム・不動産事業のバランスを重視しています。家を建てるならタマホーム株式会社
購入を検討する方にとっては、経営方針が、実際の提案や対応にどう反映されるかが確認のポイントです。
| 確認したいこと | 商談での質問例 |
|---|---|
| 商品・仕様の変更 | 今回の見積りは、いつの仕様と価格が適用されていますか? |
| 性能と価格の関係 | 標準仕様で確保できる性能と、追加費用が必要な性能を分けてください |
| 営業・設計・施工の連携 | 契約後の窓口と、変更内容の共有方法を教えてください |
| 引渡し後の対応 | 点検、修理、保証延長は、どの部署が担当しますか? |
経営改善の方針から、すべての商品の値上げや、特定の店舗の対応変更まで予測することはできません。自分たちが契約する時点の条件を、書面で確認することが大切です。
注文住宅と建売住宅は、同じ条件で比較しよう
「建物価格」と「土地付き価格」を並べない
注文住宅の本体価格と、建売住宅の販売価格をそのまま比較すると、判断を誤りやすくなります。
土地から探す注文住宅では、土地代のほか、付帯工事、外構、地盤改良、各種諸費用なども含めて総額を確認します。建売住宅も、販売価格に含まれない費用を加えて比較します。
| 比較項目 | 注文住宅で確認すること | 建売住宅で確認すること |
|---|---|---|
| 土地 | 購入代金、造成や解体の必要性 | 敷地条件、境界、道路、周辺環境 |
| 建物 | 本体工事と付帯工事の範囲 | 販売価格に含まれる建物・設備 |
| 追加費用 | 地盤改良、外構、仕様変更など | 外構の未施工部分、追加設備など |
| 性能 | 採用する仕様と評価書の取得範囲 | 対象物件の仕様書・評価書の有無 |
| 入居までの費用 | 工期中の家賃、つなぎ融資など | 引渡し時期までの家賃など |
| 維持費 | 点検・修繕・保証延長の条件 | 点検・修繕・保証延長の条件 |
すでに土地を持っている場合は、土地購入費の負担がある世帯と比較条件が異なります。建て替えなら、解体費や仮住まい費用を含めて検討しましょう。
自由設計で実現したいことを、先に決める
注文住宅の価値は、暮らし方や敷地に合わせて計画できることです。
例えば、家族の介助を見据えた動線、仕事に集中できる部屋、敷地条件に合わせた採光など、既存の物件では実現しにくい希望がある方には、注文住宅を選ぶ理由があります。
一方、希望するエリアの建売住宅で、広さ、間取り、性能、予算の条件が満たせるなら、有力な選択肢になります。
比較する前に、家族で次の3つを決めておきましょう。
- 必ず実現したい条件
- 追加費用をかけても実現したい条件
- 予算に合わせて調整できる条件
「注文住宅だから満足できる」「建売だから妥協になる」と決めず、実際の提案と物件を比べることが大切です。
耐震・断熱性能は、その住宅の資料で確認する
同じ住宅会社でも、商品、地域、間取り、契約時期によって仕様が異なる場合があります。
耐震等級や断熱性能は、広告に書かれた代表例だけでなく、自分たちの住宅でどの性能を確保する計画なのか、評価書などでどう確認できるのかを質問しましょう。
比較表には、次の項目をそろえると整理しやすくなります。
- 耐震等級と、その確認方法
- 断熱等性能等級やUA値
- 窓の仕様
- 換気・空調設備
- 性能評価書などの取得費用
- 標準仕様から変更する場合の追加費用
価格差があった場合も、どの性能や工事範囲に差があるのかが分かれば、納得して判断しやすくなります。
住宅会社との契約前に確認したい5つのポイント
追加費用が出る条件を明確にする
見積書では、金額が確定している項目と、調査や設計によって変わる項目を分けてもらいましょう。
特に、地盤改良、造成、擁壁、解体、給排水、外構などは、土地や既存建物の条件によって費用が変わります。
「一式」と書かれている場合は、施工内容、数量、含まれない工事を確認します。値引き額の大きさより、最終的に何をいくらで依頼するかが重要です。
工事の進捗と支払いの関係を確認する
契約金、着工金、中間金、最終金について、支払時期と金額を一覧にしてもらいましょう。
確認したいのは、支払額だけでなく、どの工事段階で請求されるのか、完成した部分をどう確認できるのかです。
予定より早い支払いを求められた場合は、その理由と契約上の根拠を確かめます。これはタマホームに限らず、どの住宅会社でも確認したい事項です。
現場監督・検査・記録の体制を確認する
契約前の説明の丁寧さに加え、工事中の管理方法も確認しましょう。
- 現場監督は誰で、連絡窓口はどこか
- 基礎、構造、防水などの検査は、誰がいつ実施するか
- 工事写真や検査記録を共有してもらえるか
- 設計変更や追加工事を、着手前に書面で合意できるか
- 施主が手配する第三者検査を受け入れてもらえるか
第三者検査を希望する場合は、費用と実施時期も事前に調整します。
瑕疵への備えと、工事中断への備えを分けて確認する
新築住宅には、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分について、事業者が10年間の瑕疵担保責任を負う制度があります。対象となる事業者には、その責任を履行するための保険加入または供託が求められます。mlit.go.jp
一方、工事途中の倒産などに備える住宅完成保証は、引渡し後の瑕疵への備えとは目的が異なります。
| 仕組み | 主な確認内容 |
|---|---|
| 住宅瑕疵担保責任保険・供託 | 引渡し後の対象部分の欠陥について、補修等に備える仕組み |
| 住宅完成保証 | 工事を続けられなくなった場合の前払金の損失や追加工事費などに、契約範囲内で備える仕組み |
| 住宅会社独自の長期保証 | 対象部位、期間、免責、点検や有償工事などの延長条件 |
完成保証は、すべての会社・物件で利用できるとは限らず、保証限度額や対象条件も制度によって異なります。タマホームを含め、検討先で利用できる制度と、自分たちの契約が対象になるかを確認してください。j-anshin.co.jp
入居後の家計とメンテナンス費まで見込む
住宅予算は、借入可能額だけで決めないことが大切です。
住宅ローン返済に加え、固定資産税、保険、修繕、設備交換なども見込みましょう。共働きの場合は、育休や時短勤務などで収入が減る期間も確認します。
変動金利を選ぶ場合には、適用金利が上がった場合の返済額も試算し、教育費や日常生活の予算を維持できるかを検討します。
購入できることと、購入後も家計に余裕を持って暮らせることは、別々に確認する必要があります。
まとめ
タマホームの2026年5月期決算は、住宅事業の収益改善が課題である一方、戸建分譲などの不動産事業が業績を支えていることを示しています。
このニュースを家づくりに生かすなら、住宅会社の業績を確認するとともに、自分たちが購入する住宅の条件へ落とし込むことが大切です。
まずは家族の希望と予算を整理し、同じ条件で複数の提案を比較しましょう。会社名や値引き額だけでは見えなかった、家づくりの違いが分かりやすくなります。